公開日: 2025.06.02 更新日: 2025.06.02

無人店舗に必要なシステムは?無人店舗の仕組みやメリットも紹介

COLUMN

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無人店舗に必要なシステムは?無人店舗の仕組みやメリットも紹介

近年、少子高齢化や人手不足が進む中、無人店舗が急速に注目を集めています。無人店舗とはスタッフが常駐せず、来店者が入店から購入・決済までを処理をシステムを利用して行う店舗のことを指します。

当記事では、無人店舗の仕組みや導入に必要なシステム、運営によるメリットと課題を詳しく解説します。今後の店舗運営を見据えた戦略を立てる上で、無人店舗という選択肢を理解しておきましょう。

1. 無人店舗とは?

無人店舗とは、店舗スタッフが常駐せず、顧客が自ら商品やサービスを選び、購入・決済を行ったり、サービスの利用ができたりする店舗形態のことです。近年のテクノロジーの進化により、多様な業種で導入が進んでいます。

無人店舗では、入退室の管理、商品の選択、決済、問い合わせ対応など、あらゆる業務がシステムによって自動化されています。特に人手不足が深刻な地域や時間帯で強みを持つことから、コンビニエンスストアや無人販売所をはじめ、美容サロンやコワーキングスペースなど、サービス業全般での展開も増えています。

さらに、IoTやAI技術と連携することで、在庫管理や顧客対応の精度も向上しており、今後の店舗運営の1つのモデルとして注目されています。

1-1. 無人店舗の仕組み

無人店舗の仕組みは、大きく「入店」「商品の認識」「キャッシュレス決済」の3段階に分けて構成されています。

まず入店時には、スマートフォンアプリやQRコード、ICカードなどを使って本人認証を行い、解錠されたドアから入店します。この時点で来店記録がデータとして保存されます。

顧客が商品を手に取ると、店舗内に設置されたカメラや重量センサー、RFIDタグなどが作動し、顧客が選んだ商品を自動で認識します。AIや画像解析技術を活用すれば、個々の商品を精確に判別することが可能です。

購入時は、認識された商品情報をもとにキャッシュレス決済が行われます。支払い方法としては、クレジットカードやQRコード決済、電子マネーなどが主流です。購入後はレシートがアプリ上で確認でき、退店もスムーズに完了します。

1-2. 無人店舗に向いている店は?

無人店舗に向いている主な業種には、次のようなものがあります。

  • フィットネスクラブ
  • コンビニ
  • コワーキングスペース
  • 無人販売所

利用者が自分のペースでサービスを完結できたり、標準化されたサービス内容で運営できたりするお店は、無人店舗が向いています。上記の店舗は、無人店舗に必要な入退室管理・キャッシュレス決済・遠隔監視などのシステムと親和性が高く、導入が進めやすい傾向にあります。

例えばフィットネスクラブやコワーキングスペースは、会員制と予約制を組み合わせ、利用時間やエリアをシステムで管理することで無人でも安全に運営できます。コンビニは定型的な購買行動が多く、AIによる商品認識や決済システムとも相性が良いので無人店舗を導入しやすいでしょう。

1-3. 無人店舗の現状

近年、無人店舗が注目を集めている背景には、深刻化する人手不足の問題があります。特に小売業やサービス業では安定した人材確保が困難となっており、省人化を図る手段として無人化が進められています。

さらに、新型コロナウイルスの流行により、非接触・非対面でのサービス提供が求められるようになったことも、無人店舗の需要を後押ししています。

2. 無人店舗に必要なシステム

無人店舗を運営するには、人の代わりに業務を担うさまざまなシステムの導入が欠かせません。入店から退店までの利用フローを支えるシステムを整備することで、トラブルを防ぎ、スムーズな運営が可能です。

ここでは、無人店舗に必要とされる代表的なシステムと、その役割について解説します。

2-1. 予約管理システム

予約管理システムは、顧客が事前に来店時間や利用目的を登録できるようにするものです。特にフィットネスジムやコワーキングスペース、美容室など、スペースや設備を時間単位で利用する業態においては不可欠なシステムと言えます。

予約管理システムを導入することで、混雑の防止や無断キャンセルの抑制が可能となり、限られたリソースを効率的に活用できます。

予約管理システムとしておすすめなのが予約システムリザエンです。リザエンは事前決済に対応している他、スマートロックとの連携も可能なので、無人店舗を運営するときにもぴったりです。無料で使用できる期間もあるので、ぜひお試しください。

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2-2. 無人受付システム

無人受付システムは、来店者が店内に入る際のチェックインや本人確認を無人で行うための仕組みです。無人店舗では従業員が常駐していないので、来店者の受付対応を完全に自動化する必要があります。

無人で受付する際は、主にタブレット端末や専用端末が用いられ、QRコードや顔認証、暗証番号入力、入館カードなどで認証が行われます。無人受付システムを導入することで、予約情報と照合したチェックイン処理や、会員情報の管理が可能です。また、受付対応の属人化やヒューマンエラーのリスクを回避できるといったメリットもあります。

2-3. 無人決済システム

無人決済システムは、顧客が店員を介さずにキャッシュレスで支払いを完了できる仕組みです。ICカードやQRコード、スマホ決済、クレジットカードなど多様な決済方法に対応したシステムが主流となっています。

有人対応がない無人店舗において、会計のステップではスムーズさと安全性を確保する必要があります。無人決済システムを導入すると、安全な決済が行える他、決済データをもとに顧客の購買履歴を分析することも可能です。無人化だけでなく、デジタル化も一緒に行えるのが無人決済システムを導入するメリットです。

2-4. 入退室管理システム

入退室管理システムは許可されたユーザーのみが店舗へ入店できるように管理し、入店・退店のタイミングを正確に記録する仕組みです。主にQRコード認証やICカード、顔認証、スマートロックなどの技術が活用されます。

無人店舗においては、セキュリティ確保のためにも、利用者の入退室を可視化することが求められます。特に会員制の施設や高額商品を扱う店舗では、不正利用や不審者の侵入を防ぐ上で、このシステムは必須です。

また、入退室データを記録すれば、顧客の利用動向を分析できます。滞在時間や利用頻度を把握することで、サービス改善や顧客対応の最適化にもつながるでしょう。

2-5. 遠隔接客システム

遠隔接客システムは、スタッフが物理的にその場にいなくても、ビデオ通話やチャットを通じて顧客対応ができる仕組みです。導入することで、無人店舗に設置されたモニターや端末を使い、別の場所からリアルタイムで接客が可能になります。

無人化のメリットを生かしつつ、「人のサポートが必要な場面」にも柔軟に対応できるのが遠隔接客システムの特徴です。商品選びや操作方法などで顧客が困った際にも、画面越しにスタッフが丁寧に対応することで、顧客の安心感や満足度を高められます。

対応する人員は必要になるものの、複数店舗を1人のスタッフでカバーできるため、通常の店舗よりは人件費を削減できます。完全無人化では難しい「接客の質」を担保しながら、効率的な運営を可能にするシステムです。

2-6. AI接客システム

AI接客システムは、音声認識やチャットボットなどの技術を活用して、顧客からの質問や要望に自動で応答する仕組みです。自然言語処理を搭載したAIを使用し、利用者が店舗に設置された端末やスマホアプリを通じて、ストレスなく問い合わせを行えます。

AI接客では営業時間外でも対応ができ、基本的な質問や案内を自動で処理できるため、利便性が大きく向上します。また、顧客とのやり取りの記録を蓄積・分析し、接客精度の向上やサービス改善につなげることもできます。

2-7. 販売・在庫管理システム

販売・在庫管理システムは、商品の販売状況をリアルタイムで把握し、在庫の補充や発注を効率的に行うための仕組みです。従業員が常駐しない無人店舗では、在庫状況を自動で監視・更新するシステムを導入する必要があります

たとえば、POSレジや商品識別センサーと連動させると、売れた商品を即座に記録し、在庫数を自動で反映させることが可能です。設定した閾値を下回った際には、アラートを出して発注作業を促すなどの機能もあります。

販売・在庫管理システムを導入することで、欠品や過剰在庫のリスクを軽減し、効率的な商品管理が行えます。無人でも商品がきちんと並び続ける環境を整えるために欠かせないインフラです。

2-8. 自動商品検出システム

自動商品検出システムは、顧客が手に取った商品や購入する商品を、センサーやカメラを使って自動で識別する仕組みです。画像認識や重量センサー、RFIDタグなどの技術を使用したシステムです。

決済処理の効率を上げるだけでなく、万引きや誤会計の防止にもつながるので、導入することで無人店舗の信頼性を高められます。

3. 無人店舗システムを導入するメリット

無人店舗システムを導入することで、単なる省人化にとどまらず、経営面・顧客体験の両面において多くのメリットが得られます。ここでは、無人店舗の代表的なメリットを紹介します。

3-1. 人手不足が解消できる

少子高齢化や労働人口の減少により、特に小売業やサービス業では慢性的な人手不足が問題となっています。無人店舗では、受付・案内・会計・在庫管理といった業務を自動化できるので、スタッフの常駐が不要となり、少ない人手で店舗を運営できます。

人手不足が解消されるだけでなく、必要な人員が少ないため人件費の大幅な削減にもつながります。人材確保や教育にかかるコスト、シフト管理の手間なども省けるため、限られたリソースでの安定的な店舗運営を実現する手段として、無人システムの導入は非常に有効です。

3-2. 24時間営業が可能になる

無人化された店舗では、スタッフの勤務時間に左右されず、24時間営業を実現しやすくなります。深夜帯や早朝といった通常は人員確保が難しい時間帯でも無人で店舗を開けておくことができ、通勤前後の買い物客や夜間に利用したい顧客を取り込めます。

また、年中無休の店舗は販売機会の損失を最小限に抑えられるので、競争力の向上にも直結します。

3-3. 顧客データの収集・分析がしやすい

無人店舗では、予約、入店、購入、退店といった一連の行動がすべてシステムを通じて記録されるため、顧客の行動履歴や購買傾向をデータとして蓄積できます。さまざまな情報は、マーケティング戦略や商品の配置改善、再入荷判断などに活用することが可能です。

たとえば、来店時間や購入商品を分析すれば、曜日や時間帯ごとの需要予測が立てやすくなり、効率的な在庫管理や売上向上施策を実施する手がかりとなります。また、顧客ごとにパーソナライズされたサービスを提供することも可能となるため、リピーターの獲得にも貢献します。

無人システムは単なる業務の自動化にとどまらず、経営判断に有用な情報を提供する基盤としても活躍します。

3-4. 犯罪抑止効果がある

無人店舗には監視カメラや入退室管理、決済ログ記録などのシステムが必要であり、顧客の行動が常時記録されています。セキュリティ対策が行われている環境は、万引きや破壊行為などの犯罪抑止につながります。

さらに、キャッシュレス決済の導入によって現金を店内に置く必要がなくなり、強盗などの金銭目的の犯罪リスクも低下するでしょう。安心して利用できる店舗環境を整えておくことで、顧客からの信頼を得られるメリットもあります。

3-5. 顧客満足度が上がる可能性がある

無人店舗では、レジ待ちの時間を大幅に短縮できるため、顧客のストレス軽減につながります。商品を手に取ってそのまま決済できる仕組みや、自動認識によるスムーズな会計フローは、利便性を重視する消費者にとって大きな魅力です。また、接客のわずらわしさがないことを好む利用者にとっては、無人店舗は快適な買い物体験につながります。

利便性・効率性の高さが満足度の向上に直結することで、リピート利用の促進にもつながります。無人化は顧客対応の質を損わず、むしろ快適さを強化する手段にもなるとして注目されています。

4. 無人店舗の課題

無人店舗は多くのメリットを持つ一方で、課題もいくつか存在します。システム化によって省人化が実現できても、すべての業務を完全に自動化できるわけではありません。さまざまな課題を把握し、適切な対策を講じることが無人店舗を効率的に運営する鍵となります。

4-1. 人手が必要な作業が発生する

無人店舗とは言え、完全に人の手を介さずに運営することはできません。日々の清掃や設備のメンテナンス、補充作業、機器のトラブル対応など、定期的に人が関与しなければならない業務が必ず発生します。

また、システムの誤作動や顧客からの問い合わせなど、イレギュラーな対応もなくなりません。無人化によって業務量は削減できますが、「完全無人化」が現状では難しいという認識を持ち、人によるサポート体制を整えておくことが求められます。

4-2. 導入に初期投資が必要

無人店舗を開業するためには、さまざまなシステムを導入する必要があり、初期費用が高額になりやすい傾向があります。入退室管理システム、キャッシュレス決済機器、防犯カメラ、遠隔接客端末など、複数の機能を備えた設備をそろえるには大規模な投資が必要となる場合もあります。

システムを導入する際は、予算と目的に応じて必要なシステムを選定し、複数の製品やサービスを比較・検討しましょう。また、補助金制度やリース契約を活用することで、初期コストを抑える工夫も効果的です。長期的な収益性や運用コストも含めて、利益につながる無人店舗になるよう検討する必要があります。

4-3. 顧客の心理ハードルが高い

無人店舗の利用に対して不安や抵抗感を抱く顧客も一定数存在します。「操作方法が分からない」「機械に苦手意識がある」「スタッフがいないことに不安を感じる」といった心理的ハードルは、集客の妨げとなる可能性があります。

特に高齢者やIT機器に不慣れな層にとっては、操作の複雑さが来店の障壁となってしまいます。操作手順を分かりやすく表示したり、店内に簡単な案内ガイドを設置したりして、誰にとっても使いやすい店舗になるよう工夫しましょう。

また、サポートスタッフを一定時間配置することで、初めての来店者でも安心して利用できる環境を整えられます。

4-4. セキュリティへの対策が必要

無人店舗では、スタッフが常駐していない分、防犯やシステムトラブルに対する備えが不可欠です。万引きや不正利用のリスクに加え、システム障害が発生すると、店舗の運営自体が一時停止してしまう可能性もあります。

円滑な運営のためにも、防犯カメラの設置や入退室記録の保存、各種機器の定期メンテナンスは必ず行いましょう。非常時の復旧体制やバックアップ機能も整備し、万一のトラブルにも柔軟に対応できる環境を構築することが大切です。

まとめ

無人店舗は、入退室管理や自動決済、AIによる接客支援など、さまざまなシステムを組み合わせることで、店舗運営の効率化とサービスの質の両立が実現できる手法です。また、24時間営業や顧客データの活用といった面でも、大きな可能性を持っています。

一方で、初期投資やセキュリティへの配慮、顧客への使いやすさの工夫など、克服すべき課題もあります。無人店舗の導入を検討する際は、メリットと課題を正しく理解した上で、自社の業態や目的に合った最適な運営体制を作りあげましょう。

無人店舗の予約管理システムを探している方は、ぜひ予約システムリザエンをご検討ください。セキュリティ対策をしっかり行っている上、必要なシステムをカスタマイズ可能なので、無人店舗の運営にも適しています。

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