公開日: 2026.03.10 更新日: 2026.03.10
整体院の開業方法とは?手順や儲かる整体院になる経営のコツを解説

整体院は比較的開業しやすい一方で、事前準備や経営の工夫を怠ると、思うように集客や収益が伸びないケースも少なくありません。開業届などの手続きだけでなく、開業計画を総合的に考えることが、長く続く整体院経営のポイントです。
本コラムでは、整体院の開業方法や具体的な手順、失敗しやすい要因、年収の目安、整体院経営を成功させるコツを分かりやすく解説します。
1.整体院の開業には開業届が必要
整体院を開業して個人事業主として継続的に収入を得る場合、税務上は「事業所得」に該当する可能性があるため、税務署へ開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)を提出します。必ず提出が義務付けられているわけではありませんが、継続・反復して収入を得る目的で事業を行う場合は、税務上「事業所得」として扱われることが多く、開業届を提出しておくと手続きがスムーズです。特に、確定申告を青色申告で行う場合は、「開業届」に加えて「青色申告承認申請書」を期限内に提出することが必要です。
開業届の職業欄には「整体師」「整体業」「療術業」などと記入し、屋号欄には整体院名を記載します。屋号は必須ではありませんが、店舗の認知向上につながるため、設定することをおすすめします。該当しない項目は空欄のままでも問題ないとされています。開業届は、国税庁のホームページまたは税務署で取得できます。
1-1.接骨・鍼灸・あん摩マッサージ資格で開業する場合は別途届出が必要
整体院とは異なり、接骨院や整骨院・鍼灸院・あん摩マッサージ指圧院を開設する場合は、税務署への開業届に加えて、所轄の保健所への施術所開設届出が必須となります。これらは「柔道整復師法」や「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律(あはき法)」に基づく国家資格業種であり、開設後10日以内に、施術所の所在地や施術者氏名などを届け出なければなりません。
また、保健所へ届出をした施術所には広告内容の厳格な制限が適用されます。広告できるのは、施術所名・所在地・施術時間など、法律で認められた事項のみです。施術方法や技術力、経歴を強調する表現は禁止されています。保健所に適法な届出を行っていることを示す「届出済」である旨は広告可能事項の1つとされ、都道府県によっては開設届出済証明書が交付されるケースもあります。
2.整体院を開業するときの手順
開業形態の検討から事業計画の作成、物件選びや資金準備、宣伝、届出まで、一つひとつの手順を押さえることで、整体院開業後に失敗するリスクを抑えやすくなります。ここでは、整体院開業までの基本的な流れを分かりやすく解説します。
2-1.開業形態を決める
整体院を開業するにあたって、まず検討したいのが開業形態です。どの形態を選ぶかによって、初期費用や毎月の固定費、集客方法、働き方が大きく変わります。自身の資金状況や目指す経営スタイルを踏まえ、適切な開業形態を選定しましょう。主な開業形態は、以下の通りです。
●自宅
自宅の一部を整体院として使用する方法です。賃料がかからないため初期費用を大きく抑えられますが、大きな看板を設置しにくく、集客には工夫が必要です。
●貸店舗
人通りの多い立地を選びやすく、看板設置による集客効果が期待できますが、賃料や内装工事費などの初期・固定費が高くなります。
●賃貸マンションの一室
商業利用可能な物件を選べば、貸店舗よりコストを抑えられます。ただし、管理規約や近隣への配慮、看板設置の可否などに制約が出る場合があるため、事前確認が重要です。
●レンタルサロン
時間単位などで施術スペースを借りる方法です。設備が整っており低リスクで始められますが、固定客の定義には工夫が求められます。
●出張マッサージ
顧客の自宅などへ出向く形態です。物件費用が不要な反面、集客方法や料金設定に工夫が必要です。
2-2.事業計画書を作成する
事業計画書とは、開業の目的や整体院のコンセプト、提供するサービス内容、必要資金の試算、売上・経費の見通しなどを整理した書類です。事業計画を立てることで、経営の方向性が明確になり、将来的な収支の見通しを立てやすくなります。
近年、リラクゼーション市場は拡大傾向にありますが、リーズナブルな価格を強みとするチェーン店も増えており、価格競争に巻き込まれやすい状況です。そのため、コンセプトの明確化や強みの整理、立地や競合の把握が欠かせません。また、物件取得費や設備費などで自己資金が不足する場合は、金融機関から融資を受けることが可能です。その際に事業計画書の提出が求められます。客観的な売上予測やランニングコスト、損益分岐点を試算し、無理のない計画を立てましょう。
2-3.物件を決める
整体院を開業する上で、物件選びは集客や経営の成否を左右する重要な工程です。まずは整体院のコンセプトやターゲット層を明確にし、それに合った立地を検討しましょう。たとえば、駅前や商店街は人通りが多く集客しやすいものの、賃貸料が高く競合も多い傾向にあります。オフィス街は仕事帰りの利用が見込め、住宅街では地域住民に長く通ってもらえる可能性があります。幹線道路沿いは車利用の来院が多い想定のため、駐車場の用意が求められます。
開業したいエリアが見つかったら、人口構成や昼夜間人口、競合状況などを調べて商圏分析をしましょう。併せて、家賃や保証金が資金計画に無理のない範囲か、視認性や通院のしやすさは悪くないか、近隣環境への配慮は必要かなども確認することがポイントです。
2-4.資金を調達する
開業費用は立地や規模によって差がありますが、整体院を含む新規開業全体の開業資金の平均は約975万円、中央値は約600万円とされています。内訳としては、物件取得費や内装工事費、設備・備品費に加え、開業直後の売上不安定期に備えて約3~6か月分の運転資金を確保したり、広告宣伝費も見込んでおく必要があります。
自己資金だけで不足する場合は、金融機関からの融資を検討しましょう。たとえば、日本政策金融公庫は低金利かつ長期返済が可能なため、開業時の相談先として有力な候補の1つです。銀行や信用金庫、信用保証協会付き融資も選択肢の1つです。事業計画に基づき無理のない資金調達を行いましょう。
2-5.内装工事をする
物件を契約した後は、整体院として使用できるよう内装工事をします。内装は来院者が最初に目にする要素であり、安心感や清潔感、リラックスできる雰囲気づくりが大切です。
施術ベッドの配置や受付、待合スペースなど、施術の流れを意識した動線を考えながらレイアウトを検討しましょう。コンセントの位置や電気容量など細部まで考慮することで、開業後のトラブルを防げます。
2-6.宣伝する
開業準備が整ってきたら、早めに宣伝・集客の準備を進めましょう。集客施策は効果が出るまでに時間がかかるため、開業前から取り組むことが重要です。まずはホームページを開設し、整体院のコンセプトや施術内容、所在地を分かりやすく発信します。その際、24時間365日インターネット予約を受け付けられる予約管理システムを導入することで、電話対応の負担を減らし、施術や接客に集中しやすい環境を整えられます。
併せて、Googleビジネスプロフィールを登録し、地図検索で見つけてもらえる環境を整えましょう。SNSやLINEを活用すれば、費用を抑えながら認知拡大やリピーター獲得につなげられます。チラシ配布や看板設置、地域イベントへの参加など、地域特性に合わせたオフライン施策も有効です。オンラインとオフラインを組み合わせ、継続的に情報を発信しましょう。
2-7.消耗品を用意する
レンタルサロンを利用しない場合、内装工事が完了した後は整体院で使用する備品や消耗品の準備を進めます。施術用のマッサージベッドやエアコン、カーテンといった設備類に加え、タオルやシーツ、フェイスペーパーなどの消耗品は毎日の施術に欠かせません。特にタオル類は使用頻度が高いため、洗い替えを考慮して十分な枚数を用意しておく必要があります。
また、胸当てや顔用まくら、スリッパ、着替え、脱衣かごなど、来院者が直接使用する備品は、清潔感と使いやすさを重視しましょう。消毒用品や掃除用品、事務用品など、細かな備品も用意します。小さな出費でも積み重なると大きな金額になるため、事前にリストアップし、必要なものを見極めて準備しましょう。
2-8.開業届を提出する
開業準備が整ったら、開業日から1か月以内に所轄の税務署へ開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)を提出します。提出方法は、税務署窓口への持参、郵送、e-Taxの3通りがあり、状況に応じて選択できます。
併せて「所得税の青色申告承認申請書」を提出しておくと、青色申告による控除や赤字の繰越など税制上のメリットを受けられます。書類の記載ミスや記入漏れを防ぐため、事前に提出先へ確認し、余裕を持って準備を進めましょう。
3.整体院が開業に失敗する理由
整体院は比較的開業しやすい一方で、準備不足や見通しの甘さから、思うように経営が続かないケースが少なくありません。集客が伸びない、資金が不足する、差別化ができていないなど、失敗には共通する原因があります。ここでは、整体院が開業後につまずきやすい代表的な理由を解説します。
3-1.競合が多いエリアを選んでいる
整体院が開業に失敗する大きな理由の1つが、差別化ができていないのに、競合の多いエリアを選んでしまうことです。整体院は無資格でも開業できるため参入障壁が低く、特定のエリアに同業が集中しやすい傾向にあります。
そのような環境で、コンセプトが曖昧なまま開業すると、他院との違いが顧客に伝わらず選ばれにくくなります。競合の存在を前提に、自院の強みや特長を具体化できていないと、価格競争に巻き込まれ、結果として経営が成り立たなくなる可能性が高まります。
3-2.ターゲット層と施術メニューが一致していない
ターゲット層の設定と施術メニューが噛み合っていないことも、整体院が失敗する原因の1つです。たとえば、高齢者が多い地域で開業しているにもかかわらず、若年層向けの刺激が強い施術や高単価なメニューを中心にしていると、ニーズと合わず来院につながりません。
また、腰痛や肩こりなど特定の症状に特化すると打ち出している場合は、それに見合う技術力と説明力が不可欠です。施術効果が実感できなかったり、改善までの過程を説明できなかったりすると、顧客の信頼は得られません。
3-3.十分な宣伝ができていない
整体院を開業しても、十分な宣伝ができていなければ集客は期待できません。ホームページやチラシを作らず、「人通りがあるから自然に認知される」と考えて待っているだけでは、顧客は増えません。たとえ店舗の存在が目に留まっても、どのような施術をして、何の悩みに対応できるのかが伝わらなければ、顧客獲得にはつながりません。
また、宣伝をしていても効果検証や改善をしていないケースが多く見られます。新規集客やリピート状況を分析し、計画・実行・評価・改善を繰り返さなければ、宣伝効果は得られません。競合が多い現代では、技術力に加えて、戦略的な情報発信と継続的な改善が必要です。
4.整体院を開業した場合の年収の目安
整体院を開業した場合の経営者の年収は、経営状況や戦略によって大きく異なります。集客やリピート施策がうまく機能し、施術単価の設定や運営を工夫できれば、個人経営でも年収1,000万円以上を目指すことが可能です。
一方、準備不足のまま開業すると、1年目から経営が苦しくなり、年収が独立前を下回ることがあります。独立開業は、収益や働き方を自分で決められる反面、結果もすべて自己責任です。リスクは大きいものの、努力や工夫次第で収入を伸ばしたい方や、自分の裁量で経営したい方にとって、整体院の開業は大きな可能性を秘めた選択肢です。
5.儲かる整体院になるための成功のポイント
どれだけ整体技術やスキルに自信があっても、戦略がなければ儲かる整体院にはなりにくいのが実情です。ここでは、売上を伸ばし、長く選ばれ続ける整体院にするための基本的な成功ポイントを解説します。
5-1.マーケティングの知識を身につける
マーケティングを学ぶことで、「集客を運に任せない経営」ができるようになります。いくら施術技術が高くても、存在を知られなければ来院にはつながりません。マーケティングとは、来てほしい相手に価値を正しく伝え、行動を促す仕組みづくりです。
まずはターゲットを明確にした上で、その層に合う宣伝媒体を活用しましょう。高齢者向けなら紙媒体、若年層ならWebやSNSなどが有効な選択肢です。マーケティングの基礎を押さえることで、無駄な広告費を抑えながら安定した集客が可能になります。
5-2.コンセプトとターゲットを明確にする
整体院の方向性を明確にすると、選ばれる理由をはっきり示すことができます。「誰の、どのような悩みを、どのように解決する院なのか」が曖昧だと、数ある整体院の中に埋もれてしまいます。「腰痛専門」「産後ケア特化」など、対象を絞ることで安心感が生まれ、来院の決め手になります。
ターゲットが定まれば、施術内容や接客、院内の雰囲気も自然と最適化されます。幅広く集客しようとするより、必要としている人に着実に届く整体院づくりが、結果的にリピート率向上につながります。
5-3.競合する整体院との差別化をする
他院との明確な違いを打ち出すことで、価格競争に巻き込まれずに済みます。差別化とは、単に安さを競うことではなく、「ここでしか受けられない価値」を作ることです。
症状特化型の施術や、痛みの少ない手技、アフターケアの充実など、価値を作る方法はさまざまです。資格取得によって信頼性を高めることも一案です。重要なのは、ターゲットにとって魅力的な価値かどうかです。価格以外の強みを持つことで、単価を下げずに集客できる整体院へと成長します。
5-4.コミュニケーション力を磨く
信頼関係を築ける整体院は、自然とリピーターが増えていきます。施術の満足度は技術だけで決まるものではなく、説明の分かりやすさや共感力も大きく影響します。来院者の悩みを丁寧に聞き、改善までの流れを言葉で明確に伝えることができれば、安心感が生まれます。
特に慢性症状の場合、「段階的に改善していくこと」を理解してもらうことが重要です。気持ちのよい対応や的確な説明は「また来たい」という感情を生み、口コミや紹介にもつながります。
5-5.リピートしやすい価格設定にする
適切な価格設定にすることで、整体院は安定した売上を確保しやすくなります。価格設定が安すぎると忙しさの割に利益が残らず、高すぎると継続利用のハードルが上がります。目標とする月収から逆算し、相場や提供価値に見合った料金を設定にしましょう。
また、回数券や会員制、定額メニューを導入すれば、来院の習慣化を促せます。短期的な割引よりも、長期的に通いやすい仕組みを整えることが、経営の安定化につながります。
まとめ
整体院の開業を成功させるためには、事前準備を丁寧に行うだけでなく、開業後も集客や経営改善を継続する必要があります。開業形態や資金計画を慎重に検討し、ターゲットやコンセプトを明確にした上で、宣伝や価格設定、コミュニケーションを工夫することで、安定した店舗経営が可能になります。
また、日々の業務を効率化し、施術や顧客対応に集中できる環境を整えることも重要なポイントです。整体院の開業にあたっては、予約管理の負担を軽減できる予約管理システム「リザエン」の導入をぜひご検討ください。電話対応の負担を減らしつつ、予約管理や顧客情報を一元化できるため、施術や接客に集中しやすい環境を整えられます。まずはお気軽にお問い合わせください。
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